モンゴル交流事業

日本モンゴル教育病院運営管理及び医療サー ビス提供の体制確立プロジェクト
~患者中心の医療の実現にむけて~

日本・モンゴル

はじめに

モンゴル

モンゴル国の乳児死亡率や妊産婦死亡率(出生十万対)は、減少してきており国全体の基礎保健指標は改善している。しかしながら、地方で働く医師をはじめとする医療従事者の質の低さ、及び地方における医療機材設備の未整備等を背景に、地方の一次及び二次医療サービスの向上が保健セクターの課題となっている。これに対しモンゴル政府は医療従事者の能力強化をはじめとする様々な政策的努力を進めているが、卒後研修体制や研修プログラムをはじめとする教育体制・環境が十分に整備されていない。

このような課題の解決に向け、日本は日本モンゴル教育病院(以下、「日モ病院」という)を建設(104床)するための無償資金協力(2014年~2019年)を実施している。

「日本モンゴル教育病院運営管理及び医療サービス提供の体制確立プロジェクトは、モンゴルにおける保健医療人材の卒前・卒後研修の拠点、及び高度医療サービス提供の拠点であるモンゴル初の教育病院である日モ病院に対して、技術協力を行うことにより、総合病院としての高い水準での運営管理、並びに質の高い医療サービスを提供する体制整備を目的としたものである。この度、このJICAのプロジェクトに徳島大学と愛媛大学が採択され支援協力を開始することとなり、看護部においても「患者管理」について現地研修・本邦研修を実施しながら支援体制をとっている。現在までの状況を報告する。

モンゴル交流事業

モンゴル交流事業

モンゴル国について

人口:モンゴル国 317万9,800人
ウランバートル市 146万2,973人
(2017年,モンゴル国家統計庁NSO)
(2016年比較約6万人増)

モンゴル地図

面積156万4,100平方キロメートル
(日本の約4倍)世界19番目の大きさ

モンゴル地図

モンゴルの人口の約46%がウランバートル市に集中

ウランバートルは近代都市化

ウランバートルは近代都市化

平均寿命

平均寿命 69.86歳
男性66.02歳
女性75.84歳

1990年社会主義から民主主義へ
経済は著しく発展して いるが深刻な大気汚染問題がある。

主要産業:鉱業,牧畜業,流通業,軽工業
中国、ロシアとの貿易が主

チンギス・ハーンモンゴル帝国の初代皇帝であるチンギス・ハーンは国民の英雄

モンゴル国(Mongolia)の医療・看護について

モンゴル国(Mongolia)の医療・看護について

※100Tg≒4.55円 円の数字20倍

保健医療施設のしくみ

保健医療施設のしくみ

保健医療施設のしくみ

日モ病院支援プロジェクトの期間と目標とする機能

プロジェクトの概要

保健医療人材の卒前・卒後研修の拠点になると同時に、高度医療サービス提供の拠点として、モンゴルの医療サービスの向上に貢献

目標とする機能

104床(将来的に150床)規模の総合病院、モンゴル初の教育病院

総合病院、モンゴル初の教育病院 総合病院、モンゴル初の教育病院

プロジェクト研修

第1年次
2017年5月~2019年3月
現地研修11回延べ83名(徳島大学のみ)
本邦研修8回延べ 45名参加
第2年次
2019年4月~現在
現地研修19回延べ61名(徳島大学のみ)
本邦研修2回延べ 13名参加

看護・患者管理研修内容

成果:モンゴル側で研修内容をもとにアクションプランを作成、計画立案し進行中

アクションプラン

3W1Hで帰国後のタイムスケジュールを作成

  1. 日モ教育病院 ナースステーションの器具と機材、洗浄室までの流れ
  2. 看護部の組織図、運営方針・役割を明確とし、進展させる。
  3. 看護ステーションのモデルを作り、マネジメントを明確とする。
  4. 患者中心の看護ケアを実施していくために必要となる医療機械、器具、機材の一覧表を作 り、取り組んでいく (SPD)
  5. 各病棟の特徴に合わせたマニュアル、基準等を作成する。
  6. 倫理マニュアルを作り、基準を作成する。6Sを元に運営をする
  7. 各病棟の看護師用の教育ファイルを作成する。
  8. 看護師長、看護師の勤務役割を時間割にする。勤務表を作成する。
  9. 申し送りの手順を作成する、表を作る。
  10. PNSの基準作成、現在の病院の内科病棟で実験として取り組んでいく。
  11. 在宅看護ケアの基準を作成し、必要となる機材等のリストを作る。
  12. 患者支援センターの基準を作成し、役割を明確にする。
  13. 看護師のポケットガイドラインを作成する。
  14. DINQL-看護ケアの質を高めるようモデル資料を作り、電子化とする。
  15. キャリア制度を実施するには評価基準を明確とし、電子化を図る。

進捗状況と課題

  • 組織図の概要は完成、執行部のメンバーは決定したが病院機能が未だ曖昧
  • 組織を運営するための会議体制等は整備できつつある、雇用は計画的に進行
  • 建設工事が遅れ、2019年4月病院建物引き渡し
  • 2019年6月16日オープニングセレモニー
  • 組織体制やHIS等を整備するのに時間がかかり2019年10月1日より外来から開院
  • 現在、手術室・ICU・病棟開始に向け準備中
  • 看護部の標準業務のあり方に関するガイドライン作成(モンゴル看護部)
  • 病院理念・機能の明確化
  • 組織体制の強化
  • 予算の確保(手術・病棟運営に必要な物品の購入)
  • 医療の質評価

日モ病院の医療サービス体制構築・運営のために、今後病院管理、患者管理、医療サービスにおけるさらなる支援強化が必要